紅い石


エメラルド 1

翌日の目覚めは最悪だった。
自分用にあてがわれた小さなテントの中で起きあがった詩人は、枕もとにあった水をグラスに注ぐと(今度はちゃんと確かめてから)飲み干した。
一刻も早く外の空気を吸いたい気分だった。


詩人が外に出て辺りを見回すと盗賊達は既に出払っており、テントの群れはしんと静かだった。
この日は風が強く、遠くの景色は黄色くくすんで見えた。
川へ水を汲みに行こうとすると、ふいに後ろから名を呼ばれる。
「ファイさん、気分はどうですか?って・・あまりよろしくない様子ですね。」
そこにいたのは緑色のチュニックを着た正義だった。
「・・はい。見ての通りです。昨日は迷惑を掛けてしまったようで、申し訳ありません。」
済まなそうな表情を浮かべた詩人の顔は身につけたローブと同じくらい蒼白だった。
「気にしないでください。それよりあなたの命が無事で本当によかった。あなたは鷹王から杯を受けたのでしょう?盗賊の間では酒を贈ることは最上級の友好のしるしなんです。王が戻る頃には元気な顔を見せてあげてください。さあ、こちらへ。」
正義はにこにこ笑って所在なさげな詩人の手を引いた。
――友好のしるし
詩人は思った。
はたして自分は盗賊王に受け入れられたのだろうか。
確かに鷹王は怪我が治れば紅い石の事を教えると言ったが、昨日の自分は不覚にも彼の前で泣き、最後には醜態をさらしてしまった。
思い出すだけでいたたまれず、言い訳したいような気持ちに駆られた。
いずれにしても鷹王が戻ったら非礼を詫びなければならない。
詩人にとって、のどから手が出る程欲しい『紅い石』の在りかを知る盗賊王に。

正義の案内で通されたのは詩人が最初にいた倉庫のようなテントだった。
そこには穀物やら貴金属など、盗賊たちが運びこんできた戦利品が収められている。
部屋の中には事務机といくつかの椅子があった。
「ここにいる間ファイさんには私の仕事を手伝ってもらいます。これは王の命令です。とはいっても私の仕事は忙しいものではありません。まずはあなたの足の治療をしますから、あとは座って楽にしていてくださいね。」
詩人がすすめられるままに椅子に掛けると、正義は、昨日詩人の足首に貼った薬を取り換えた。
薬は熱を冷ます薬草を使ったもので、ひんやり冷たく心地よかった。
詩人が礼を言うと、正義は次に盗賊達の戦利品を一つ一つ丹念に調べて台帳に記入し始めた。
一応帯剣しているもののこの男は戦闘要員では無い様子だった。
「あなたはここでどういう仕事をしているのですか?」
詩人が問うと正義が答えた。
「私の役目はこの中の物を管理することです。私たちの食糧にするものと、商人と取引をするもの。ここでは何が誰の所有物なのかはっきりさせておくことが大切なんです。
私たちのルールについて分からないことがあったらなんでも聞いてください。私は外への仕事には出かけませんからいつでもいいですよ。鷹王は私が出ると足手まといだから残れと言うんです。ひどい言われ方ですよね。」
正義は小さくため息をついた。
詩人はこの男が盗賊団の宰相の役割をしていることを理解した。
「盗賊王はあなたにならば留守を任せられると考えているのですね。」
正義は照れくさそうに目を伏せてから言った。
「ファイさん、何か必要なものはありますか?」
詩人はは少し考えてから言った。
「それでは私の荷物を返してもらえますでしょうか?その中に書きかけの本があります。私は本を書いているんです。」
正義が即答した。
「それには王の許可が要ります。ここではファイさんは王の『所有物』なんです。あなたは鷹王にさらわれてきたから。」
詩人は大きな蒼い目を丸くした。
「『所有物』ですか?」
それは自国の王に一生涯の忠誠を誓う魔法使いの自尊心をひどく傷つけた。
「本については鷹王が戻ってきたら私から交渉してみますね。ちなみにあなたはどんな本を書いているのですか?」
正義は興味深そうに聞いてきたので、詩人は何とか気分を切り替えた。
「私が書いている本は・・えー、薬草学のような本です。あなたが治療してくれた薬と同じものが私の国にもあります。」
詩人が書いているのは魔術書だった。今書いているのは魔法具についての章で、そこでは魔法薬や石の効能について触れている。
詩人の生きる目的は、紅い石をセレス国に持ち帰り最愛の兄弟を王の元に蘇らせる事だったが、同時に自分が石探しの旅の間に編纂してきた魔術書をルヴァル城の書物庫に納めたいとも考えていた。
緩慢な生の終わりに。
「薬草学ですか、あなたは多彩なんだなぁ。私も以前少しだけ勉強したことがあります。薬を作ることも私の役目だからなのですが、ここでは毎日誰かしら怪我をして帰ってくるから薬作りはきりが無くて大変です。」
困った顔を見せた正義に詩人は微笑みかけた。
「では、ここにいる間、私は正義さんの薬作りを手伝いましょう。」
正義は初めて見る詩人の笑顔に心が癒されるように感じた。
「それはとても助かります。」


しばらくすると外で馬の蹄の音がして、倉庫のテントには盗賊たちが騒がしく今日の獲物を運びこんできた。正義はてきぱきと指示を出し、倉庫番を引き継ぐと詩人に振り返って言った。
「王が戻っているはずです。外に出ましょう。」


*********************

外は日が沈み始めており、風は冷たく乾いていた。
目の前を馬に乗った盗賊たちが次々と通り過ぎ厩舎に引き上げていく。
砂漠の夕暮れの寒さに身震いした詩人が人ごみの中を見回して盗賊王の姿を探すと、他の部隊の隊長と馬上で話し込んでいる彼の姿がすぐに見つかった。
ひときわ大きな馬に乗っている鷹王は遠くにいても目立つし、つんつんとがった髪型は特徴的だった。

正義と詩人の姿に気づいた鷹王がやってきた。
「おう詩人、生きてたか。」
馬上からいきなり声をかけられた詩人はあわてて答えようとした。
「はい。あの、おかげさまで。昨日は・・」
「お前、酒が飲めないんだって?無理させちまったな。」
鷹王の目は優しかった。
「いえ、あれは私が・・」
水だと思い込んで飲んだなど−−言えない。
詩人が口ごもると鷹王が笑いながら言った。
「可愛いやつだ。」
予想外の言葉に自分の顔が上気するのを感じた詩人は、隣にいる正義に気取られまいとうつむいた。すると鷹王は盛大に笑って言った。
「それにしてもお前みてえなドジな奴がよくも一年間砂漠をほっつき歩いて無事だったもんだぜ!」
その言葉を聞いてだまってこぶしを握り締めた詩人にかまわず鷹王は続けた。
「お前今日も宴席に顔出せよ。」
そして立ち去り際ににやりとして言った。
「もう酒は飲まなくていいからな。」


*********************

すると、盗賊たちであふれるテントの群れの中で大声が上がった。
「俺の指輪を 盗みやがった!!」
一つのテントから二人の男が飛び出してすごいスピードで走りだした。
必死の形相で逃げる男は昨日の片腕のないりんご売りの男だった。
後から出てきてそれを追う男が大声を上げる。
「今度という今度はもう許さねえ!!!」
二人の男は詩人たちの方に走り込んできた。
追いかける男は馬上の鷹王に気づいて叫んだ。
「こいつ 俺の兄貴の形見を盗みやがったんだ!!」
怒声が辺りにびりびり響いた。
馬から飛び降りて地面に降り立った鷹王は静かな声で言った。
「聞こえてるぜ。」
行く手を阻む鷹王の姿を前にして、隻腕のりんご売りは立ちすくんだ。
男の顔に張り付いた恐怖の表情に、哀しみの色が混ざって、力の抜けた指の隙間から、金の指輪がこぼれ落ちた。
「鷹王・・俺は あんたを 裏切っちまった。」
地面をまっすぐ転がった小さな輪が、鷹王のつま先に当たって止まる。
「もうお前を責める気はねえよ。」
男の膝ががたがたと震え、見開かれた目に溜まった涙が頬を伝って流れた。
鷹王は冷たい無表情のまま、すらりと半月刀を抜いた。
「目を 閉じろ。」

一瞬の間をおいて男の両膝が地面につき、頭部が消えた首から激しく血潮が噴き出した。

詩人は、恐怖に目を見開いたまま動けなかった。

"ここでは何が誰の所有物かってことをはっきりさせておくことが大切なんですよ。"

鷹王は刀をひと振りして鞘におさめると、黒い外套をひるがえして馬に飛び乗った。
正義が盗みを告発した男に対していつもと変わらぬ穏やかな様子で言う。

「君がかたずけなさい。」

詩人には世界がゆがんで見えた。
正義の声が遠くに聞こえる。

「誰か穴を掘るのを手伝って・・」

*********************
流れていくのは時間だけなのか
涙だけなのか

震えているのは寒さのせいだろ
怖いんじゃないね

乾いた風が巻き上げる 黄砂の吹雪 吹雪
砂漠の世界




詩人は胸元に手を遣ってローブの中のロザリオを握り締めた。

あの黒い外套は、いったいどれだけの返り血を浴びてきたのだろうか。





*********************

詩人はその日の酒宴に義理を果たすためだけに顔を出した。
しかし、挨拶を済ませてさっさとおいとまさせてもらおうという考えは甘かった。
テントの中では昨日と変わらず盗賊たちが酒盛りをしていたが、王の席は空っぽだった。
周りを探してみても正義の姿も見当たらない。
他に詩人が顔を覚えているのは宴席で鷹王の近くにいた二人の男くらいだった。
詩人は人ごみの中にそのうちの一人を見つけた。
先ほど馬上で鷹王と話し込んでいた隊長だった。
黒髪で鷹王よりさらに体格のいい男は、詩人に気づいてやってきた。

「よう、詩人さん。」
山のような大男に視界をふさがれたて萎縮した詩人に対して、男は人懐こそうな笑顔を浮かべて大きな手を差し出した。
「俺は草薙だ。昨日はえらい災難だったな。」
自分の失態が盗賊たちに知れ渡っている事を知ってうなだれた詩人は、恐る恐るごつい手を取った。
「私はファイと言います。昨日はみなさんにご迷惑をおかけしました。」
「俺にはなんにも迷惑なんてかかちっやいねえよ。あわてた顔した鷹王がファイさんを担ぎ出すところを見てただけだ。あんたまるで死体みたいだったぜ。」
草薙は大きな肩を揺らして笑った。
「え・・。」
「俺らもさすがに驚いた。あのわがままな王様に世話焼かすなんざ、詩人さんはよっぽど大物にちげえねえってな。」
詩人は言葉を失った。
「鷹王は今、商人の相手をしている。問題が無なけりゃあそろそろ出て来るだろう。酒が飲めねえんじゃこんなところにいても退屈だろうがそれまで待ってやってくれな。」
草薙から懐が深く暖かい印象を受けた詩人は気遣いに感謝した。

「草薙。」
二人の前に浅葱色の長い髪を一つに束ねた痩身の男が現われて草薙を呼んだ。
もう一人の隊長を見た草薙の表情が険しくなる。
「様子はどうだ?」
腕に包帯を巻いた痩身の男はかぶりを振った。
「何とかなりそうだ。やれやれだぜ。」
草薙の口調は先ほどとは打って変わって厳しかった。
「今回のことはお前の失策だ。鷹王が戻ったら報告しろよ。」
「ああ、そのつもりで来た。まだいねえみたいだな。」
草薙の言葉を受け流した痩身の男は、周りを見回して詩人の姿に気づいた。
「おっと、詩人サンじゃねえか。俺はあんたに礼を言わなきゃならねえ。俺は笙悟、よろしくな。」
詩人は何のことやら分からないままに差し出された手を取った。
「俺ぁ今日のシゴトでチームの奴らに大怪我させちまってな。ひでぇ火傷だ。正直なとこ、もう駄目かと思ってた。だけどあんたの薬のおかげでなんとか命は助かりそうだ。奴ら今、魔法にかけられたみてえに眠ってる。」
今日詩人は在り合わせの材料で何種類かの薬を作っていた。
「私は何も特別なことなど・・あれは、正義さんの作ってる通りにしただけです。」
「ずいぶん謙虚なんだなぁ。まあ、これは俺らの感謝の気持ちだと思って受け取ってくれ。」
笙悟は手に持っていた包みを詩人に手渡した。
ずっしり重い。
「それは気持ち良く眠れる薬だ。最高級品だぜ。ただ、あんたが使うときは相当薄めた方がいい。そうじゃねえと本当に天国に行っちまうかもしれねえからな。」
笙悟は軽口を叩く風に言ってにっと笑って見せた。
彼はいわゆるイケメンだが、その笑顔を向けられた詩人には笙悟がとても悲しんでいる事が伝わった。


玉座の裏の緞帳が開くと、中からは正義を先頭にターバンを巻いた髭面の中年男たちがぞろぞろと出てきて、最後に鷹王が幕をくぐって現われた。
褐色の素肌の上に赤と金のベストを着て緋色のマントを羽織った盗賊王が玉座に座ると、それを待っていた踊り子たちがフルーツの盛られた器や酒を持って彼の周りに集まった。
いつもより派手な恰好の鷹王の元に、カラフルな衣装と宝石を身につけた美女たちが集合すると、むさくるしい宴席は急に華やかになった。
二人の隊長に連れられた詩人がそろって鷹王の前に座ると、王は踊り子たちに指示を出した。
「手筈どおりやれよ。褒美は後でくれてやる。」
彼女たちは王に投げキスしたりウィンクしながら少し離れた場所にある髭おやじ達の席に滑り込んだ。

最初に草薙が口を開いた。
「今日は癇癪起こさなかったみてえだな。」
鷹王は不機嫌そうな顔で酒をあおった。
「切れる直前だったぜ。」
錦張りのクッションにもたれ掛った鷹王は、半分寝転がるようにして手をのばし、金の器に盛られたライチをいくつか掴んだ。
「まあ、こっちは特に変わったこたあねえから心配すんな。後ぁ飲ませて丸め込んだら終わりだ。」
草薙は苦笑いして鷹王に皿を手渡した。
「さばけてきたなあ。」
鷹王は白いエスニック風ズボンの膝の上に皿を乗せてライチの皮を剥きながら聞いた。
「で、どうなんだ?笙悟。」
笙悟は王の目を見ないで言った。
「ああ。みんな何とか持ちこたえられそうだ。今は落ち着いて眠っている。」
鷹王は片眉をつりあげた。
「あの状態からか?」
「薬が効いた。詩人サンの処方だ。」
鷹王が一度詩人を見てから再び視線を戻して言葉を待つと笙悟は苦しげに言った。
「俺の判断ミスだった。あいつらには無茶させちまった。」
しばらく無言だった鷹王は静かな声で言った。
「今回は命拾いしたな。これに懲りたらテメエのくだらねえ私怨で蛇の巣突っつくようなマネするんじゃねえぞ。」
「・・分かってる。」
酷い怪我を負った仲間は元の状態には戻らない。次は無い。
笙悟はこぶしを握り締めた。
盗賊王は草薙から手渡された布巾で手を拭うとぶっきらぼうに言った。
「辛気臭え顔すんな。生きてりゃなんとかなる。それから、お前はすぐに調子に乗るし、俺はすぐキレる。だからこれからは、草薙のおっさんを心配させねえように振る舞え。いいな。」
笙悟が顔を上げると、鷹王は口の端で笑って見せた。
笙悟はちらと草薙を見てから言った。
「勝手やっちまって・・悪かった。」
草薙はあきれ顔で言った。
「分かりゃいい。」
鷹王は二人の様子を見て頷くと皿の上のライチを一気に口に放り込んだ。

そのやり取りを複雑な面持ちで聞いていた詩人をまっすぐ見つめて鷹王が言った。
「詩人、感謝する。」
詩人は目を合わさずに答えた。
「少しでも役に立てたのなら・・よかったです。」
すると、うつむいたままの詩人が抱えている茶色い包みに目をとめた盗賊王が聞いた。
「お前何を持ってる?」
間髪入れずに笙悟が口をはさんだ。
「そりゃ俺がファイさんに贈った酒だ。」
鷹王は急に面白くなさそうな顔をしてひじ掛けに頬杖をついた。
「こいつに酒なんて渡すな。」
「いいじゃねえか、礼くらいさせろよ。」
おどけた口調で言い返す笙悟の顔を、鷹王が険のある半眼で見返したので、草薙がフォローに入った。
「まぁ、昨日みてえな飲み方しなきゃ大丈夫だろう?あー・・ファイさん、今日もあんたの歌が聴きてえなあ。これから歌ってくれるかい?」

この日はとても歌える気分では無かったので、詩人は草薙に申し訳なく思いながら小さな声で答えた。
「すみません。せっかくですが今日は気分がすぐれないので私はこれで・・」
ふらりと立ち上がった詩人は足首に痛みを感じてよろめいた。
とっさに鷹王が手を伸ばす。
差し出された手は身じろぎした詩人の前で行き場を無くした。
「・・失礼 します。」
鷹王は怪訝な顔で目を細めた。
詩人が立ち去ってしまうと、目を丸くしたままの笙悟が感心したように言った。
「ずいぶんと嫌われてるんだなぁ。鷹王。」
草薙は顔を手で覆った。



*********************
自分の寝床に戻った詩人は横になると毛布にくるまった。
躰は疲労しているはずなのに、夕暮れの乾いた情景が頭から離れず眠れそうになかった。

盗賊王の冷たい眼と半月刀の光。
自分の足もとに鈍い音を立てて転がった悲しい顔。
血しぶき。

砂漠の夜は とても寒い。

詩人が何時間も眠れず横になっていると、不意に盛りのついた猫のような声が耳に入ってきた。
(・・なんてことだ。)
詩人の寝床は王の天幕の裏手にあった。
"褒美は後でくれてやる。"
次第にはっきり聞こえ出した甘えた声は、踊り子の女性達のものだ。
登場人物たちの顔もその声がする場所も知っているだけに、やけにリアルに聞こえてしまう。

詩人は耳を塞いだ。
(助けて、ユゥイ。)
こんなときロザリオは彼を護ってくれない。
あの紅い眼の男は、詩人が自国で説いてきた事と真逆の事を平気な顔でやってのける。
人殺し・盗み・姦淫。

ひっきりなしに聞こえる嬌声に耐えきれなくなった詩人は、盗賊から贈られた包みに手を伸ばした。
茶色い包みを剥がすと中には緑色の瓶が入っていた。
ラベルに入ったかすれた文字はかろうじて読めた。
『absinthe』

臥せたまま、枕もとのグラスにほんの少しだけ中身を注ぐ。
ランプの明かりにかざすと暗色の液体は少し黄味がかった緑色をしていた。

舌に刺さるような強烈な苦みと薬草や香草が織りなす複雑な香気。
しばらく口に含んでゆっくり嚥下する。
緑色をした魔法の薬は溜息をついた詩人を静かな眠りの中に誘った。


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エメラルドはまだ続きます。


♪お付き合いくださってありがとうございました♪

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